森博嗣『集中力はいらない』を読んだ感想。集中力信仰をぶった斬るアンチテーゼ本。

森博嗣『集中力はいらない』書評

森博嗣って誰!?

森博嗣さんの新書『集中力はいらない』を読みました。

森博嗣さんと言えば、

ミステリー系の本を中心に、
多数の小説を執筆するベストセラー作家さんですね。

有名なので言えば、
ドラマ化もされている小説『すべてがFになる』も
彼が執筆したものです。

そんな小説家として有名な森さんですが、
今回読んだ本は、小説ではなくエッセイです。

森さんは、
小説以外にも自身の考えを綴るエッセイなんかもよく出版しています。

内容に関しては、
世間では常識とされていることに対し、
“ちょっと待った!”異を唱える形の本が多い印象。

『世間ではこんな事がよく言われるけど、
実際、そんなことないよね』

『こういう見方もあるよね』

と言ったように、
物事を多角的な視点で捉える事に長けている方なので、

読んでいてハッとさせられる事が多いです。

感情的な語り口ではなく、冷静に物事をみて、
それを淡々と正直に語っていくスタイルが特徴の作家さん。

で、今回の新書も
お決まりのパターンです。

書店でビジネス書コーナーを歩くと、
決まってピックアップされているテーマがあります。

何かと言うと、
それは、集中力です。

出版社にとってはドル箱ワードなんでしょうね。

毎月毎月、
あらゆる切り口から集中力に関する本が多数出版されています。

この背景には、

集中力=善。

同時に、

集中力のない状態=悪。

という前提が知らぬうちに成り立っているがゆえの事だと思います。

そんな集中力信仰が浸透しすぎている風潮に対し、

『いやいや集中力ってそんな大切なことか?』

『集中力にも弊害があるんだぜ』

といったように、
行き過ぎた集中力信仰に対して
アンチテーゼを唱えたのが本書です。

というわけで、
『集中力はいらない』を読んだ感想を、
以下で綴っていきたいと思います。

集中力信仰の弊害

森さんは、
本書全体を通じて、

もはや条件反射的に“良し”とされる集中力に対し、
あらゆる切り口から集中力の弊害を語っているのですが、

その中でも、

“分散思考が有利に働くこともある”

という考えには強く共感できました。

集中力という言葉自体が強すぎて、
もはや対になる概念がなかなか見えてこないのですが、

本書ではそれを“分散思考・発散思考”という言葉で表現しています。
(厳密に言うとこの2つは区別されるのですがそれは書籍にて)

そもそも、
集中力本がこんなにもバカ売れする背景にあるのは、

“気が散っている状態は良くないことだ!!”

という強烈な思い込みや刷り込みがあるからです。

実際、僕自身も
小さい頃、学校の授業であくびなんかをしていると、

『コラ!授業に集中しなさい!!』

といったお叱りの言葉を受けた経験もあり、

集中力が無いことは良くないことだという
洗脳を受け続けていました。

授業以外にもあらゆる場面で、
集中力が大事だというメッセージが飛び交いますよね。

確かに、
集中力というのが大切な場面もあります。

例えば、
試験中に集中力が欠けた状態になってしまうと、
時間切れになってしまいます。

仕事中に集中力がなく、注意散漫な状態が続くと、
片付けるべき仕事が終わりません。

とは言え
集中力という概念も万能ではありません。

条件や置かれた環境によっては、

集中力とは対になる
“分散力”が力を発揮する場面も多々あります。

職業で言えば、
クリエイティブ系の職の場合は特に分散力が大切になってきます。

分散力とは、
思考があちこち飛び回っている状態で
これは一見ネガティブな印象を持ってしまいます。

ですが、
集中している状態というのは、
文字通り1つに意識が集中している状態なので、

そこにアイデアというのはなかなか生まれせん。

今は亡きスティーブジョブズさんも言うように、

アイデアとは既存の物の組み合わせです。

また、ジョブスさんは生前に、

私はテクノロジーとアートの交差点に立ちたい

という美しい言葉を残していますが、

まさにそれを体現したのがApple製品なわけです。

つまり、
優れたアイデアというのは、
異分野に触れ、思考が寄り道をしている時に生まれる事が多いわけです。

一箇所に留まっていては、
思考も硬直化していき、斬新な物は生まれにくくなるということ。

ただし、同時にジョブスさんは
フォーカス(集中)の重量性もさんざん問いていた事で有名です。

Appleの商品ラインナップもその他のメーカー企業と比べ、
かなり絞られています。

大事な事に集中し、
それ以外の事は捨てよ。

と、スタンフォード大学における伝説のスピーチでも述べています。
素晴らしいスピーチなので、観ていない方は是非見てみて下さい。

分散も大事。

集中も大事。

そんな事言うと、

一体どっちなんだ!
矛盾している!

と思うかもしれませんが、

要は、

時と場合によって、
集中する時、分散する時というのを
意識的に切り替えていくことが重要だということです。

今は、
着想を得る時だから、あらゆる物に触れて、
思考を分散させておこう。

よし、着想が見つかった!

これからは、その着想を形にする時だから、
意識を1点に集中させ、他の事に気が散らないようにしよう。

そんな感じで、
出来事に対して柔軟なアプローチが取れるようになることが大切なわけです。

特に、今後の時代は、

クリエイティブ職以外の多くの仕事は、
AIや機械に取って替えられる時代へと向かっています。

つまり、
集中力を要する場面が多い単純作業ではなく、

企画を考えたり、新たな発想ができる人の価値が高まってきます。

となると、
集中力一辺倒の考えというのは、
そもそも時代的にもそぐわないということ。

寄り道型人間で、
あらゆる事に関心を持ち、
それらをつなぎあわせ、
新たなコンテンツを生むことのできる人が必要とされるわけですね。

そして、

作家の頭の使い方とは、まさに分散思考である。

と森さんも書籍で述べています。

着想が命であり、
それを形にする執筆作業自体は簡単であると言います。

集中力は執筆作業の時にはじめて必要となるわけだから、
森さんにとって集中力があることはそれほど大切な事ではないという論理ですね。

僕は作家ではありませんが、

Webサイトの運営なんかも
企画が9割の仕事で
頭の使い方は作家さんと似ています。

なので
分散思考が大事というのは、とても共感できるメッセージでした。

分散→集中→分散→集中が大事

そもそもなんですが、

分散という過程を経ないと
集中力自体が生まれないと僕は思います。

どういうことか?といえば、

まずは分散思考で、
幅広い選択時を吟味した上でないと、

目の前の事に100%集中して取り組めんないんですよね。

その他の選択肢も確認して置かないと、

あれ?他にもっと良い方法があるんじゃねーか?
もっと他のアイデアがあるんじゃんーか?

といったように、
あらゆることに目移りしてしまい、
逆に心が落ち着かず、集中できなのです。

ただ、
その他の選択肢といってもそれは無限にあるので、

この世には時間という制約があることを考慮した場合、

どこかで折り合いをつける必要はあるのですが。。

なので、

大切なのはバランスですね。

物事の良し悪しは
状況によって変化するということを理解し、

集中、分散の切り替えを柔軟に行っていくこと。

これが大事だなと思います。

それにしても、
無意識に過ごしていると、

今回の話のように、
集中力=絶対善という構造が

簡単に出来上がってしまうのがこわいですね。

“集中力をあげる方法”

という一文には、
集中力=善という隠れた前提が入っているわけですから。

〇〇力や〇〇の方法

という表現方法を使われると、

そもそも集中力って大切なのか???
というツッコミが生まれにくいです。

広告的にこの現象を捉えると、
おそろしいなぁーーと思います。

コピーライティングが重要とはまさにこのこと。

こうして人は扇動されていくわけですね。
(良い子は悪用厳禁でお願いします。)

そして、
集中力というキラーワードに乗っかって、
そのアンチテーゼ的な本を出版するという

良い意味での“したたかさ”を兼ね備えた森さんはやはりお見事。笑

どんな業界でも
トレンドに乗るって、大事ですね笑

森さん本人も、
本を書くのは“金のためだ”と隠さず公言しています。
(その辺に関しては、幻冬舎新書からでている森博嗣著『作家の収支』という本にて詳しく語っているので是非)

ちなみに本書では
集中力というテーマを通して、

働き方に関する森さんの見解も書かれているので、

その辺りも、
人によっては”ハッ”とさせられる気付きがあるでしょう。

大学教授→作家で億万長者→仕事は1日1時間以内の隠遁生活

というユニークな経歴の森さんが語る働き方論は面白いです。

というわけで、
・集中力があることは無条件に良いことだと思う
・ベストセラー作家がどうやって本の着想を得ているか気になる

そんな方は、
本書『集中力はいらない』を一読することをお勧めします。

それでは!

【編集後記】
はじめして。
管理人のシュンです。

 

大学を卒業後、
会社に就職するものの、
その“厳しい生活”に馴染むことができず、
わずか3ヶ月で退職。

その後、
インターネットを利用したメディア構築ビジネスで
会社員時代の何倍もの金額を稼ぐようになりました。

 



『知っているか知っていなかで人生おそろしいくらい変わるな』 と痛感。

 


そんなわけで、
かつての僕のような方に向けて、個人で生計を立てる術を教えたい!
という思いから“個人メディアつく〜る”という無料コミュニティをはじめました。
(ふざけた名前ですが中身は至って真面目です)

 

興味がある方は、 まずは以下の無料プレゼントを受け取ってみてください。
ゼロから80万円を稼いだ全貌がわかります。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です